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Introduction

はじめに

「inquireってどんな会社なんですか?」

そう問いかけられて、よく回答に困ってしまっています。本当は一言で紹介できるといいのですが、そうすると自分たちが伝えたい自分たちの姿からズレてしまうようで、わかりやすく表現することに抵抗がありました。

「どんな価値観を大切にしているのか?」
「どんな事業を展開しているのか?」
「どんな組織で、どう働いているのか?」

会社とは、多面体です。会社について丁寧に伝えようとすると、複数の面を見せて、全体感を伝えていきたくなります。端的に表現してしまうと、一面を切り取った伝わり方になったり、それが自分たちを縛って変化の余地がなくなったりしてしまうのではないか、そんな懸念がありました。

言葉に関する仕事をしているからこそ、言葉にすることで狭めてしまうかもしれない可能性を気を配ってきました。せっかく自分たちの会社を紹介するサイトをつくるのであれば、そんなあれこれを伝えるために、いろんな角度から紹介させてもらおう、あえて冗長性を大切にしてみよう、そう考えました。

「この順番で読んでいってもらえたら、私たちについて知ってもらいやすいんじゃないか」ということで目次も用意しました。要点だけ掴むには少しばかり非効率で、お時間はいただくかもしれませんが、目を通していただけたら嬉しく思います。

0-1 . Starting point

社名に込めた願い

一つの言葉、一つの問いがきっかけで、人の考えや行動は変わります。社会を変えてきた実践者たちは、それぞれ言葉を編み、問いをデザインして、新たな価値を創造してきました。

新たな価値につながる言葉や問いは、ふと浮かぶものではありません。探究の積み重ねがあってこそ、創造のきっかけとなる言葉や問いは生まれます。とても重要ではあるのですが、問いや探究が持つ価値は目に見えるものではありません。

編集やライティングという仕事の価値は、目に見えるアウトプットに限らず、より多様で広範にわたると確信しています。私たちの仕事は、様々なテーマを探究しながら、問いの投げかけによって思考の発散や収束を促し、知識を翻訳する媒介となり、情報を編んで物語にするなど、多岐にわたります。

「inquire」という社名は、こうした「問い」や「探究」を意味する言葉から名付けました。「インクワイアリー」という言葉は、人や組織に変容を促す手法や概念にも用いられるように、問いや探究は人の変容にも影響します。

この答えのない時代に、問いを投げかけ、探究を行い、人や組織、社会に変容をもたらす触媒として活動していきたい。そんな祈りのような気持ちも込めて、inquireという名前をつけ、活動を始めました。

株式会社インクワイア
代表取締役社長
モリジュンヤ

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Philosophy